旅館に泊まる

旅館の予約からチェックイン、チェックアウトまで細かく解説します

ずっと夜行バスですごすというのならばともかく、普通は宿へ泊ります。
この章では、日本旅館の予約からチェックアウトまでをおっていきます。日本旅館というと敷居が高いイメージがありますが、必ずしもそうではありません。日本人には結構旅館はあいますし、諸外国からおいでになられる観光客の皆さんも日本的なものを感じるには旅館が一番だと思います。この章で旅館の泊まり方が判り、安心して泊まっていただければ嬉しい限りです。

旅館の種類・値段

旅館といってもその形態は様々で、何とかホテルという名称でも実質的に旅館の形態をとるところもあります。旅館とホテルは昨今区別が難しいのですが、ホテルが洋室で基本的にほとんど従業員との接点がないのに対して、旅館はほとんどの場合、和室であり、仲居さんとの接点がかなり多くなります。
また、日本旅館は高級なものから庶民的なものまで様々なバリエーションがあります。近代的なホテル風の旅館もあれば、駅前旅館のような商人宿まであります。ただし、値段やサービスが若干違うだけで、基本的に応用がききます。
この章で扱う旅館は、主に温泉地にある中規模程度の上で記したような宿を念頭におきながら書いています。
旅館業界には日本観光旅館連盟という業界団体があります。業界団体内で様々な研修などを行っていますので、ここに加盟している旅館であれば、一定水準以上の宿だと考えて良いでしょう。
このほかに選ぶ基準としては、JRグループ協定旅館連盟などの旅行代理店が提携している提携旅館も比較的安心できます。
旅館の料金の仕組みですが、時刻表のイエローページに掲載されている旅館の案内に書いてある「100~250」というのが値段を示しています。左側が一般的な部屋の閑散期の平均価格で、右側が繁忙期の最高料金を示しています。ここの値段は部屋代と食事代が込みになっている場合がほとんどです。これが旅館の宿泊代の基本になります。
これにサービス料が加算されます。ほとんどの場合、15%ですが、中には10%や20%のところもあります。更にサービス料を加えた金額に対して消費税がかかります。
このほか、時期によっては暖房料を徴収されることもあります。そして、温泉地にある旅館の場合、地方税として加算される入湯税がかかります。多くの場合、100円から200円くらいの間です。また、東京都や大阪府など、自治体によっては宿泊税を取られるケースがあります。
宿代は契約事項ですので、恥ずかしがったりめんどくさがらずにしっかりと確認し、納得した上で泊まるようにしましょう。しつこく確認することをいやがる旅館には泊まらないほうが良いとさえ云えるくらいです。

予約について

それでは、これから旅館を自分で予約し、チェックアウトして次へ旅立つまでを流れに沿って解説していきます。旅館の予約は電話もしくは旅行代理店、そしてインターネット上で行うことができます。

A.電話での予約

まず電話での予約方法ですが、これは泊まりたい旅館が決まっている時に用いると大変に有効です。どこにどのような旅館かがあるかは、時刻表の黄色のページへ広告として出ているほか、様々な出版社から旅館ガイドが出ていますので、それを参考になさってください。
電話予約では、あらかじめ自分で何らかの紙に以下のことを書いておくと戸惑わずにすみます。ただし、すべての項目を聴かれないこともあります。

自分の名前
漢字の説明も考えておくとベターです。(たとえば野村さんなら、野原の野に市町村の村などといった説明方法を考えておきます)
住所
普通は郵便番号からで、郡は省略してよいです。こちらも漢字の説明を。
電話番号
たまに日中連絡の取れる連絡先を聴かれることがあります。一人暮らしの場合は会社の電話番号もメモしておきましょう。
到着月日とおおよその到着予定時刻
時刻は変更しても文句を言われないので、着けそうな時間を30分単位くらいでメモしておけばよいと思います。
どこから旅館へ行くのか
普通は前の宿泊地をいえばO.K.です。自宅が前の宿泊地の時は「自宅から」といいます。
旅館からどこへ行くのか
次に泊まるところをいえばO.K.です。自宅へ帰る時は「自宅」といいます。
取りたい部屋の種類
ツインとかシングルなどといった区別です。ちなみにシングルは一人用。ツインはシングルベッドが二つある部屋。ダブルはダブルベッド(二人用のベッド)が1つある部屋。トリプルはめったにありませんが、シングルベッドが3つある部屋のことです。
何人で泊まるのか
ツインやダブルでも独りで泊まることができます。これをシングルユースといいます。また。一人簡易ベッドの設置で本来予定されている定員より1名多く泊まれるようにしてくれるところもあります。これをエキストラベッドといいます。
何で行くのか
電車か自家用車かバスかタクシーか徒歩か。それによって旅館への道順の案内を変えてくれます。

そして、予約が済んだら、必ずすべての項目を復唱してもらい、電話を受けた担当の方の名前を確認しておきましょう。万が一予約されていなかったなどのトラブルの時に担当者がわからないと泣き寝入りをしなければならないこともあるからです。
そして、このメモは聴かれた項目の頭に丸をつけて大事に保管しておきます。メモをきちんと保管してチェックインのときに持っていくと何かあったときに役立ちます。なくさないように気をつけてください。

B.旅行代理店での予約

次は旅行代理店を使った時の予約方法です。
旅行代理店の予約ですが、泊まりたい場所に旅館がみあたらないときやどこでもいいから予算の範囲内で適当な場所に宿をとりたいとき、いくつかの旅館をさまざまな角度からじっくり比較検討したいときなどに有効利用できます。
旅行代理店へいくと、宿泊場所と予算、部屋の種類(シングルかツインかなど)をたずねられます。
そして、その条件に合う旅館を提示してくれるので、条件などを確認して選択します。
予約が済むとその場で清算、宿泊クーポンと呼ばれる宿泊確認証の発行となりますが、この時、手配料として540円(税込み、JTBの場合)取られますので、注意してください。
宿泊クーポンを渡してもらったら、それをなくさない様に気をつけてください。そのクーポンがチェックイン時の予約の確認となり、なくしてしまうと、泊まれなくなる可能性もあります。
最近では、チェックアウト時に税金を支払うようになっているようです。その場合、クーポン券発行時には税金を差し引いた金額が請求されます。
また、最近ではインターネットでの予約も一般的になりました。多くのサイトが存在していますので、次節で解説していきます。

インターネット予約

最近ではインターネットでの予約も一般的になりました。
インターネット予約の利点はなんと言っても24時間いつでもどんなところからでも予約ができるということですね。また、大体の予算や地域を指定するだけで候補がいくつも示されるという利点も見逃せません。もし宿を指定して予約がいっぱいでも代替の宿が提示されるなどインターネットならではの利点も数多くあります。

最大手は「楽天トラベル」です。最大手だけあって、宿泊のみの簡素旅館から高級旅館まで、様々な旅館が予約可能です。また、楽天トラベルには当日予約で大幅割引などというサービスも提供されています。さらに便利なのは航空券などとセットで予約が出来る「ANA楽パック」「JAL楽パック」というプランも用意されている点です。一度に航空券まで予約できるのは旅程決定においてかなりのメリットです。

トクー!」というサイトも大幅割引で注目を集めています。ゴールデンウィーク時には1泊1200円という予約が行われ、多客における激安提供に驚きの声が漏れましたが、有料会員制がメインのサービスとなっています。ただ、それを割り引いても全体的に割引価格で提供されており、年に2、3回旅行をする人ならすぐ元が取れるでしょう。
これらのサイトの隆盛に刺激されたか、ポータルサイト最大手のYahoo!Japanも「Yahoo!トラベル」というブランドで参入を果たしました。求人サイトなどが有名なマイナビの「マイナビトラベル」も使い勝手が良いという評判です。
また、「高級旅館格安予約サイト」と銘打った「一休.com」や「Relux」のような高級な宿を割安で泊まれるようにしているサイトもあり、ネット予約サイト戦争が勃発しています。

こうした動きに従来から営業している大手旅行代理店もネット予約を次々と充実させています。
大手旅行会社である日本旅行は各旅行会社の中でもいち早くオンライン特化型予約サイトを開設したことで知られています。
最大手のJTBは「【JTB】バリアフリー特集」「露天風呂付き客室」「JTBがおすすめする温泉宿」などのように多数の提携先旅館から独自の視点から選んだ宿をまとめて紹介しています。サイトの構成は最大手の信頼感を全面に打ち出しており、利用者は安心して宿選びができるようになっています。

また、近畿日本ツーリストは「にごり湯・秘湯・混浴のある宿」「源泉かけ流しの宿」等のような前述の2社とは違った視点から宿の情報を提供しています。独自の宿泊プランも提供しているようで、目が離せません。

最近増えているのが、旅行情報誌が開設している予約サイトです。リクルートのじゃらんが提供している「じゃらんパック」や旅行ガイドムック「るるぶ」の出版元であるJTBパブリッシングの「るるぶトラベル」といったところが開設していますが、紙面と連動した企画など、手元の雑誌で確認したあと、オンラインで手軽に予約ができるというのが売りになっています。雑誌でゆっくり比較検討をした上で予約だけは簡便にしたいという方にお薦めできます。

加えて近年登場しているのが広く浅くではなく、狭く深いターゲットに対する予約サイトです。特に際立った特色を持っているのは、「平日休みの方の為の宿泊優待サイト」と銘打ったゆめやどです。平日の予約に限って、かなりの値引率を実現しており、平日の旅行が可能な方にとってはかなり格安で宿に泊まれるという夢のようなサイトとなっています。

これらのオンライン予約サイトは、それぞれのサイト毎で予約方法が異なりますので、個々では詳細を説明できませんが、どのサイトもできる限り判りやすくしているようです。こうした会員制予約サイトをそれぞれの特色をにらみながらうまく使い分けをしてより安く泊まり、その費用をもう一泊分に回したり、より旅の中身をグレードアップさせるなどの工夫をしたいものです。

チェックイン

いよいよ予約した旅館へ到着しました。オーソドックスな旅館の場合、団体客がやってくる時間だと女将や仲居さんが出迎えてくれます。このところ増加しているチェーン系の旅館では、経費削減もあり、こうした出迎えを省略しているところもあるようです。
大きい旅館ならばフロント、小さい旅館だと帳場、名前はいろいろありますが、要するに受付がありますので、そこで予約した名前をいってください。
すると、仲居さんが出てきて、鍵を受け取り、荷物を持って部屋へ案内してくれます。最近は合理化の影響で、自分で荷物と鍵を持っていく旅館も増えました。部屋へ入ると仲居さんから宿帳を渡されますので、名前と住所などをきちんと書きます。最近はフロント(帳場)で書かせるケースも増えているようです。
食事の時間や場所などを聴かれますので指定します。時間はあまり前後させられませんが、場所については部屋で食べるか大広間か、郷土料理のオプションを付けるかなどを選ぶ事が出来る場合があるようです。こちらもチェーン系の旅館では一律でレストランでの食事、かつバイキング形式になっているケースも増えています。これなどは合理化というよりも従来型の和定食を食べたいという方が減少しており、さらに地元の名物を少しずついろいろ食べたいという需要が増えていることに伴う改善といえます。バイキング形式の場合には食事の場所の案内などがあるのできちんと確認しておきましょう。

部屋に入ると

仲居さんがいなくなると部屋を見渡す余裕が出来ます。
座った目の前にあるのはテーブルです。この上には旅館の案内とポット、急須と湯のみ、お茶請けが置いてあります。お茶請けはたいてい地元の銘菓で旅館の土産物コーナーに置いてあります。お土産の参考にするといいかもしれません。
まず、旅館の案内を確認しつつ、非常口などの確認をしましょう。旅館などの大規模火災はめったにないことですが、起きたときに慌てないためにも非常経路の確認はするべきです。旅館の案内には門限からチェックアウトの時間、非常口の案内、レストランやバーなどの施設の場所と利用時間、外湯(公衆浴場)の場所、周辺見所観光地の紹介などが載っていますから、簡単でもいいので、必ず目を通しましょう。
たいてい日本間ですので、床の間があります。そして押入れに布団などがあります。特に指定されていない限り、布団は仲居さんが敷いてくれますので、自分で敷く必要はありません。
部屋の隅には浴衣、下駄箱の中にはスリッパがたいてい常設してあります。浴衣のそばには旅館のタオルが置いてあります。
基本的に旅館の外へ出るときでも浴衣姿は認められています。ただし、都市型旅館になるとホテルと同様に浴衣などでの外出が禁止されています。これはドアのところや旅館の案内書きに書いてありますので、注意して確認しましょう。その場合はきちんとした恰好で、靴を履いて出るようにしてください。温泉地などでは、下駄やつっかけを用意している旅館が多いので、そうしたもので外湯(公衆浴場)へ出かけるのもまたおつなものです。

テレビ・ビデオ・BGM

旅館においてあるテレビは、昔は有料が多かったようですが、最近では無料が当たり前となりました。中にはビデオデッキがあり、帳場で映画ビデオなどの無料レンタルサービスまで提供してくれるところもありますが、逆に古く安い旅館などだと無料テレビはおろか有料のテレビすらないところもありますので、注意してください。
テレビはたいてい地元のテレビ局のみが映ります。どこがどの系列か事前に判らなくても多くの場合、東京のキー局を基準にどこの系列かを書いた当日夜の番組表が備え付けられています。これらのほかにBSやCSを見られるようにしている旅館もあります。地上波は無料でも衛星放送は有料のところがありますので、利用前にきちんと確認してください。
最近は旅館の方向性が多角化していることで有線のBGM装置を設置している旅館なども出てきています。数は少ないですが、もし設置されていた場合にはこれらも概ね無料ですので安心して利用して下さい。
そして、たまに有料のアダルトビデオなどの放送もありますが、お金を入れなければならないところがほとんどですので、アダルトビデオが嫌いな人や子供と一緒に泊まる場合、見たくないのに意志が弱くて見てしまいそうな人は、お金を入れなければいいだけのことです。もし、配信制で止めてほしければ有料放送の配信を止めてほしいことを帳場へ告げましょう。たいてい配信を止めるようにしてくれます。彼氏に見て欲しくない女性や彼女に見て欲しくない男性も止めてしまえば良いでしょう。いっしょに見たいだという人はそのままでもいいですが!

お茶とポット

お茶は急須に自分でお茶の葉を入れ、自分でポットからお湯を入れて飲めるようにしている場合が多くなっています。
ただし、このお湯は、お茶だけに使わなければならないというものではありません。本格焼酎やウイスキーのお湯割り、インスタントコーヒー等に利用しても問題ありません。
また、お湯がなくなった場合は内線電話などで帳場を呼び、追加してもらうことも可能です。無料の場合が多いので遠慮せずに申し込みましょう。お茶の葉も同様ですが、ティーバックになっているときはもらえない可能性もありますので念のため確認してみましょう。
このところ増えているのが電気ケトルや電気ポットを入り口付近において、好きなときに好きなだけお湯を作れるようにしているケースです。この場合、ポットに入れる水をどこから汲むのか悩まれる方も多いのですが、正解は洗面台の蛇口です。海外ならばいざ知らず、国内では水道の蛇口から出る水は飲用可能な水道水ですので、安心して洗面台の水を入れてお湯を沸かして下さい。なお、まれに敷地内の井戸などから本当に洗顔のみの用途で水を館内に引いている場合があり、飲用できない水が出てくることもあります。こうしたケースでは、蛇口付近に必ず「飲用不可」と書かれていますので、その場合には水の追加は内線電話で帳場へ依頼しましょう。

大浴場の使い方

温泉地にある旅館の楽しみはなんといっても大浴場で浴びる温泉ですね。
まずは大浴場へ足を運んでみましょう。のれんをくぐると脱衣所があります。ロッカー方式をとっているところとかごに入れて、棚に置いておくところとあります。いずれにしても貴重品などは持ってこないようにしましょう。部屋の鍵は脱いだ洋服などにくるんでおくと良いと思います。
脱衣所で服を脱いで、扉を開けると大浴場が待っています。浴場のほうへ入ったら、必ずぴったり扉を締めるようにしましょう。
まず、体を洗うところで、軽く体にお湯をかけて目立つ汚れを落とします。また、下半身は特に気をつけて流すようにしましょう。湯舟でながせばよいだろうと考えてそのまま入ってはいけません。多くの人が入りますので、衛生面には気を払いたいものです。
衛生面といえば、湯舟にタオルをつけるのも厳禁です。テレビ番組を見て、よいのだろうと考えてしまう人が多いようですが、これは出来るだけ避けるべきです。また、色の付いている温泉の場合、そのままタオルがその温泉の色に染まってしまう可能性もあります。
これは好みの問題になりますが、せっかく温泉宿に泊まったら、到着後すぐ・食事のあと寝る前・朝起きてから、の三回温泉を浴びたいものです。

旅館内の施設

旅館内には多くの施設が入っています。
小さな旅館ですと食堂と大浴場くらいですが、テレビでCMをしているような大きな旅館になりますと複数のレストランに土産店、露天風呂やカラオケなどまで設置されています。最近ではエステルームやマッサージルームなど少し長めの滞在に備えたリラクゼーション施設を設置するケースも多いようです。
せっかくの旅館の施設ですから有効に使いたいものですが、こうした施設を利用する場合、精算の方法が普通の店舗と異なることがあります。多くはその場での現金精算なのですが、中には、部屋番号を教えて、出発時に一括して精算という場合があります。出発時一括精算の場合、宿泊費として一括で計算されることもありますので、法定外目的税が設定されている地方自治体の場合、課税対象金額として計算されることもあります。ですから、課税されたくないときは宿に確認をしてから精算するようにしましょう。また、同様にサービス料の加算対象にもなることがあります。

料理を楽しむ

旅館に泊まって何よりの楽しみはやはり豪華な料理でしょう。旅館によって方法が異なりますが、最近は大食堂方式を取り入れるところが増えています。大広間や特別の食堂へいくと予約した値段に合わせて夕食が用意されており、となりのほうが豪華だったりすることがありますが、それは予約したグレードがとなりのほうが高いからで、別に差別をしているわけではありませんので、お間違いなく。
チェックイン時にすでに布団が敷いてあるチェーン系旅館を除いて、多くの場合、食事をしている間にたいていふとんを敷いておいてくれますので、ゆっくりと味わって食べることにしましょう。お酒を頼むとその土地ならではの地酒がでてくると思います。最近では頼めば地ビールを出してくれるところもふえました。土地ならではの料理も多く、山の中なのにマグロの刺身が出てくるなどということは最近は減ってきているようです。ただ、物産の通り道になっている要所にある旅館では地元の名産品に例えば海魚の佃煮などが出てくることもあります。
一方、徹底的な合理化による低価格を実現しているチェーン系旅館は基本的に食事はバイキング形式です。以前のような定食方式ではなく、地元産の名物を少しずついろいろ食べたいという需要が強くなってきていることから、これまでの慣習にとらわれないチェーン系旅館ではバイキング形式の導入が進んでいます。こうした場合には好きなものを好きなだけ食べられますので、残さない程度にいろいろと選んで地元の味を堪能しましょう。
ゆっくり食事をしたら、あとは寝るまでのひとときをのんびりと過ごすことにしましょう。

寝るまでのひととき

食事を終えて部屋へ戻ってくるとふとんが敷いてあります。最近は人件費の高騰と長引く不況のせいで、自前でふとんを敷くようにお願いしている宿も多くなってきましたが、まだまだ少数派です。この点は宿泊の予約をするときにきちんと確認をしましょう。
特に消灯が定められていない限り、基本的に寝るのは何時でもかまいませんし、どこへ出かけてもよいのですが、従業員の就業時間の都合で、ほとんどの場合、門限が設定されています。門限はフロント(帳場)で出かける前に確認しておきましょう。また、浴衣で外出してもよいかも尋ねたほうがよいですね。
温泉地では、外出を浴衣でする人のために下駄が用意してあることがあります。利用にお金がとられることはまずないので、どんどん利用し、温泉地の風情を味わいましょう。逆に温泉地ではないところに建つ旅館の場合、ホテルと同じように館内ですら浴衣禁止のところがありますから、部屋に置いてある宿泊約款はよく読みましょう。
さあ、夜も更けてきました。そろそろ寝るとしましょう。

寝る前に

いつも自宅で寝るときのようにただふとんにくるまって寝ればよいというものでもありません。必ず点検しておくべきことがあります。
まず、扉の戸締まりをきちんとしたか確認しましょう。オートロックだったとしても、きちんと鍵を締め、チェーンをかけておきましょう。
次に灰皿のたばこの始末です。きちんと消えているか確認しましょう。寝たばこはもってのほかです。そして照明のチェックもお忘れなく。
朝食をとることにしている場合は、朝食の時間に間に合うように起きられるよう、めざましなりの時間を確認することも忘れませんように。
それでは、おやすみなさい……。

連泊する際は

同一の旅館に2泊することを連泊、3泊することを三連泊などといい、「連泊」と称します。この場合、ある決まった時間になりますと布団の片付けなどのため、旅館の人が部屋へ立ち入ります。多くの場合朝食時間中です。もし、どうしても入ってほしくない場合はチェックインのとき、ないしは外出時にフロントへその旨を伝えておきましょう。
外出する際には中には貴重品を置かないようにしておきましょう。もちろん旅館の人が盗むわけはないのですが、掃除のときに紛失してしまう可能性はないとはいえません。お互い気持ちよくすごすためにこれくらいの配慮は心がけるようにしましょう。

チェックアウト

朝食はここのところの合理化や好みの多様化などの流れによって、ホテルのようなバイキング形式をとるところが増えています。バイキング形式の場合、好きなものが自由にとれる反面、とり過ぎることもありますので、注意してとり過ぎないようにしたいものです。
いよいよチェックアウトの時間が近づいてきました。通常、旅館の場合、会計は宿の仲居さんが伝票を持ってきてくれます。それに目を通し、食事のときに頼んだ飲み物などが間違っていないか確認します。
旅館の宿泊代のおもな構成は以下の通りです。

部屋・料理代
これは一番の基礎になる部分です。最近は室料と飲食代金を別会計にして明示するところも増えています。
サービス料
サービスするのが旅館の主たる業務なはずなのですが、なぜかサービス料という名目で手数料が取られます。一種の慣習のようなもので、最近ではサービス料を廃止するところも増えてきています。
消費税
これは1と2の合計に対して掛かる場合が多いようです。
入湯税
温泉地では入湯税が取られます。宿にある温泉を利用しているかどうかにかかわらず取られることになっています。

また、東京都など一部の地方自治体では法定外目的税が課せられることがあります。
すべて確認したら、伝票にサインを求められます。そして、その場で仲居さんにお金を支払います。しばらくするとお釣りや領収書を持ってきてくれますので、確認してから財布へしまいましょう。
最近では、合理化のため、ホテルのようにフロント(帳場)で出発時に精算するところも増えています。この場合、部屋の鍵をフロントへ持っていくと、旅館側で機械を叩いて、同じように伝票を渡してくれます。その場で支払ってそのまま出発ということになります。
もし、宿の対応がよければ、帰宅後、御礼状を書くとよいでしょう。なにより、宿の人々の励みになりますし、もしかしたら様々な情報を送ってくれるかもしれません。宿の人と親しくなれば、また次に出かけたときに旅の楽しみは何倍にふくれあがることでしょう。なお、特別地方消費税は2000年に廃止となっております。

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