旅へ出る前に

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概要

この章では旅へ出る前の心構えや計画以前の話題が出てきます。全ての基本ですのでぜひとも一読してください。といっても肩肘張って捉える必要はなく、軽いエッセイのような感覚で読み進めていただければうれしく思います。また、最後の机上旅行に関しては、旅を豊かにする上で重要な事前チェックにつながります。机上旅行が滞りなく進められれば、実際に旅へ出るときも様々な情報収集や企画立案がやりやすくなりますので、一度楽しみながら試していただくとよいと思います。

旅とは何か

旅とは何か……。
これは難しい課題ですよね。いきなり難しい!といって逃げ出さないでください。実はこれは、旅にもっとも重要だとされる「目的」とも絡んでくる問題なのです。
とあるアニメで「自分がロックだと思えばそれがロック」という名言(?)が飛び出したことがありましたが、旅も実は「自分が旅だと思えば旅」。これが結論です。?マークの人、よーく考えてください。電車の好きな人がいて、その人が「山手線を20周してきた。」という話をあなたにした、とします。この時、あなたはこれを旅だと考えますか。普通の人なら答えは「NO」ですよね。でも、この人にとっては山手線で約20周ぐるぐるまわっているのは、旅なのです。
これは旅の目的とも絡んできます。よく「旅には目的が重要」などという話がありますが、この「目的」。前出の「山手線20周」で判るように、それぞれでまったく異なってきます。
要するに「旅とは何か」、「旅の目的とは何か」という永久命題は、実は「その人の思うことによってそれぞれ違う」という至極当然の結論が導かれます。
ですから、旅、恐れるに足らずです。どんどん旅をしましょう。目的や意義なんてものはあとから付いてくるものなんですから。

旅の流れ

旅の流れなんてわかるよ、という方もいらっしゃるかもしれませんが、基本の基本ですのできちんとおさえておきたいと思います。
旅の流れは大まかにいって以下の通りです。

  1. 計画を立てる(プランニング)
  2. 出発の準備をする
  3. 旅立つ
  4. 予定をこなす
  5. 帰宅する
  6. アフタートラベル

それぞれがどれも大変重要なタームになります。第2章では実際にこの流れで旅の計画の立て方を解説します。第3章以降は計画をよりよくするための具体的なテクニックについて書いています。

旅に必要なもの

旅に必要なものって何だと思いますか。
まず、なにはなくとも時刻表。「時刻表を引くのが苦手」という人が多いのですが、あれは大変な魅力の詰まった本なのですよ。「引く」と考えずに「読む」と考えてみてはいかがでしょうか。
次にひま。ひまがなければ、後ほど説明する机上旅行をすることさえできないですから。
そして、お金。机上旅行というものはお金がかかりませんが(強いて言えば時刻表とガイドブック代くらい)、実際にするとなると先立つものが必要です。
最後に「行きたい」という気合です。行きたくないのに旅をしても仕方がないですからねぇ……。

机上旅行をしてみる

机上旅行というものをご存知でしょうか。多分知らないという声が多いと思います。机上旅行というのは、時刻表やガイドブックでする空想上の旅行を指しています。
ガイドブックや「ナントカ情報版」のようなムックと呼ばれる形態で発行されている旅の情報誌を読んで、「ああ、ここいきたいなぁ。」、そう思うのももちろん広義での机上旅行と呼べないこともないのですが、私がここでいう机上旅行はもう一、二歩それを深めたものです。
どこか目的地を決めます。例えば、ソウルとしましょう。ソウルへいくにはどのようなルートがありますか?もちろん飛行機という手段があります。その他に何か思い付きますか?
たいていの方はここで「?」となってしまうでしょう。それでは、ここで時刻表の巻頭地図を開いてみてください。10年も20年も前のでなく、ここ近年のものが手元にあれば、とりあえずそれで代用できますから、わざわざ買ってきていただかなくてもいいのですが、消費税改定でいろいろなものの値段が変ったことですし、手元に1冊あると便利だと思います。さて、巻頭地図の九州が出ているページを見てください。博多から上のほうへ向けて線が引っ張ってありませんか。よくその線を見てみると釜山の文字があるはずです。下関からも同じような線が出ていて、文字が並んでいると思います。
つまり九州からの船便があるということですね。ここでどのような発想をしますか?
もちろん学校の試験ではないので、答えは一つではありません。
例えば、時刻表をいろいろめくった方の中には「日韓共同きっぷ」というものの存在を発見された方もいらっしゃるかもしれません。このきっぷを使って新幹線でいけば、結構安上がりだということは一つの解答です。
それから、飛行機で博多へはいって、中州で一杯やってホテルに泊まり、翌日あらためて韓国入りするというのも立派な解答です。
ほかに青春18きっぷでゆっくり国内を観光しながら下関へ行って、それで船で韓国へというのも旅のプランとしては魅力的です。
机上旅行というのは、時刻表のあらゆるページやガイドブックのあらゆるページを眺めながら、ある程度具体的な道筋を考えてみるというのが基本にあります。ちょっと考えてみるとこうしたプランはいくつも出てくることでしょう。そう難しいものではないんです。一種の仮想現実ですから。
なお、机上旅行をする効用は3つあります。
まず、時刻表へ慣れることが出来ることです。 時刻表を引きながらでないと机上旅行は出来ませんから、自然と時刻表へ親しむことが出来ます。
国内の旅では、たとえ鉄道を全く利用しなくても時刻表は必携です。
それから、実際に旅をしなくても旅の経験がつめます。もちろん実際の旅には劣りますが、していれば自信もつきます。
そして、旅の名所が頭に入ります。ガイドブックを丹念に見るわけですから、意外な発見などもあります。

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