鉄道の旅

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最近では鉄道の旅をする人はそれほど多くないかもしれません。しかし、「汽車旅」という言葉があるように近代日本の旅は鉄道の旅を基本としてきた側面があります。鉄道の旅というと、郷愁を感じる人もいるとは思いますが、郷愁のみならず、意外と鉄道の旅は便利です。
この章では鉄道のきっぷの買い方から知っておくと結構便利な規則、鉄道の旅の仕方についてまとめています。
海外の鉄道の旅でも基本的な部分は通用するところがありますので、一読いただければ幸いです。

きっぷの種類と運賃・料金

普段のすべてまとめて私たちが「きっぷ」と読んでいるものはいくつかの種類があります。
普段、自動券売機や駅の窓口、車掌などから購入するのは「片道乗車券」と呼ばれるきっぷです。この乗車券がすべての基本となります。
ふつうのきっぷ=片道乗車券は鉄道へ乗る区間が重複しない場合のきっぷです。
行きと帰りが同じ区間の場合は往復きっぷ=往復乗車券が発行されます。片道600キロメートルを超える場合(以下この章で「超える」はそのキロ数を含まないものとします)は往復ともに1割引きの往復割引きっぷ=往復割引乗車券になります。
鉄道へ乗る区間が一周を超えたり、往復の条件にあわないけれども重複して乗る場合、片道きっぷが2枚組み合わさった「連続乗車券」というものになりますが、効力はふつうのきっぷと変わりませんので、「名前が変わるんだ」とだけ憶えておいてください。
あと、学生には有名な学割きっぷ=学生割引乗車券・学生往復割引乗車券もあります。学割きっぷは片道100キロメートルを超えて乗車する場合に所定の学割証=「学生・生徒旅客運賃割引証」と学生証を提示すれば、2割引になるものです。学生往復割引乗車券は往復割引きっぷがその値段から更に2割引になるというもので、学割きっぷと往復割引きっぷの両方の条件に合致していなければなりません。
また、今後使う値段に関する用語について説明します。通常、鉄道の場合、乗車券の値段のことは「運賃」とよび、特急券やグリーン券などの速度や設備に対して支払う値段のことを「料金」とよびます。
これを憶えて友人などの前でさりげなく使い分けると旅の通に見える……かもしれません。

きっぷの有効期間と途中下車

きっぷの有効期間は以下のとおりです。

  1. 乗る区間が100キロメートルまでは1日限り有効。
  2. 100キロメートルを超える場合は200キロメートルまで2日間有効。以下、200キロメートルごとに1日ずつ有効期間が増える。
  3. 往復きっぷは片道の有効期間の2倍になる。連続きっぷは各区間の有効期間の合計期間となる。
  4. JRバスとまたがる場合は元々のきっぷの有効期間に1日加わる。ただし、JRバスの区間をいくら組み込んでも1日しか増えない。また、鉄道とバスとの合計が100キロメートルを超えない場合は有効期間は1日限りとなる。
  5. 途中で有効期間がなくなった場合、途中下車(下記参照)をせず、後戻りしなければ、きっぷの最終目的地まで行くことが出来る(継続乗車船という)。
  6. 東京・大阪・福岡の電車近郊区間(後述)のみを利用する場合は100キロメートルを超えても1日のみ有効となる。

また、途中下車の条件は次のとおりです。

  1. 片道が100キロメールを超えるきっぷ。
  2. 東京・大阪・福岡の電車近郊区間(後述)のみを通るきっぷではない。
  3. 回数券ではないきっぷ。
  4. とくとくきっぷの一部は途中下車が出来ない。(とくとくきっぷについては後述)。
  5. 特定都区市内(東京都区内や大阪市内など、次項参照)発着のきっぷはその特定都区市内ゾーンの中では一部の例外を除いて途中下車が出来ない。山手線内発着と書かれたきっぷも同様。
  6. 料金系のきっぷには途中下車という制度はない。

注.途中下車とは、改札口の外へ出ること。ホームへ出るだけならば途中下車ではない。ただし、無人駅の場合は列車から外へ出た段階で途中下車として扱われる。また、新幹線では新幹線改札を出たら「新幹線を途中下車」したこととなる。

特定都区市内ゾーン

東京から大阪へのきっぷを買うと、「東京都区内」発「大阪市内」行きのきっぷが出てくると思います。この「東京都区内」などの考え方が「特定都区市内」という考え方です。
「特定都区市内」の考え方は、札幌・仙台・東京・横浜・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・北九州・福岡の各駅を基点に200キロメートル以上の各駅間相互のきっぷに適用されるものです。基本は各駅が所在している市内の駅ということになっているのですが、横浜市内駅に川崎駅などが含まれたり、広島市内駅に海田市駅が含まれるなど、必ずしも市内ではないようです。
これの利点は、例えば、天王寺から大阪・新大阪を経由して上野まで行く場合など、各基点駅から、もしくは各基点駅までの距離よりも長い距離を乗車する場合です。逆に蒲田から浜松まで行く場合など、各基点から、もしくは各基点駅までの距離よりも短い距離を乗車する場合は損です。
蒲田-浜松などのような場合は出発する駅から特定都区市内を外れた最初の駅までとそこから目的地までに分けると安くなる場合もありますので、時刻表で計算してみてください。
なお、特定都区市内発着のきっぷは該当する特定都区市内では途中下車が出来ませんので、ご注意ください。たとえば、仙台市内発新潟行のきっぷの場合、一度、仙台市内と指定された駅から乗車してしまえば、たとえ何か用事を思い出しておりたくなったからといって仙台などで途中下車することは出来ません。
もちろん、東京都区内発大阪市内行のきっぷで名古屋駅で途中下車することは可能です。名古屋市内駅発着ではないからです。あくまでこの規則はそのときに発着となる都区市内のみが対象なのです。
東京駅から100キロメートル以上200メートルに満たない距離については、山手線内発着という同様の規定も設けられています。

さまざまな特例(運賃篇)

さまざまな特例について説明します。ただし、JRのきっぷの規則は詳細にわたっていますので、初心者が知っておくと便利なものにとどめておきます。

  1. 新幹線と在来線は一部の例外を除いて、同一の線として扱い、きっぷの「経由」に「新幹線」と書いてあっても平行する在来線へ乗車することが出来る。もちろん逆も可能。
  2. 分岐駅で列車が止まらない場合、該当区間で途中下車しなければ、復乗(往復同じ区間に乗ること)しても復乗区間の運賃を別に取られることはない。あらかじめ、設定された区間のみで認められ、東京-神田、名古屋-金山、大阪-新大阪などに設定されている。
  3. あらかじめ設定された全国6つの区間を経由するきっぷは実際の乗車区間に関わらず、短いほうの経路で運賃の計算をする。東北本線と常磐線の日暮里-岩沼間や山陽本線と岩徳線の岩国-櫛ヶ浜間が有名。
  4. 尼崎よりも遠い立花・塚口方面の各駅と北新地駅とのきっぷは大阪駅までの距離で運賃計算をする。

料金の種別

運賃というのは今まで解説して来たように乗る際にかかる代金のことを指します。
一方で、それ以外の設備などにかかる値段が「料金」です。運賃がひとつなのに対して、料金にはいくつかの系統があります。
まず、スピードに対してかかるものがあります。特急券とか急行券がこれです。
あと、設備に対してかかるものがあります。指定券とかグリーン券とかがその対象です。
ここからはこれらの「料金」について説明していきます。

スピード系料金の基礎

スピードに対して支払う料金は大きく分けて、特急料金と急行料金があります。
特急料金にはA・Bの2種類が定められており、Bのほうが若干安くなっています。これは乗車する区間によって適用が分かれており、例えば、特急<東海>の場合、東京から三島までならB特急料金が適用されますが、三島より1駅でも先へ乗る場合は全区間A特急料金が適用されます。
山形新幹線や秋田新幹線にはまた別の料金区分が定められており、非常にわかりにくくなっていますが、新幹線特急料金のところで詳しく触れますので、ここでは割愛します。
一方急行料金は特に区分はなく、実際に乗車するキロ数で計算します。

設備系料金の基礎

設備系料金はその設備を利用することによって生じる料金です。グリーン料金、寝台料金などが一般的で、通常特急料金などのスピード系料金と合算されて発券されます。指定席料金は設備料金というよりは、手数料的意味合いのほうが強いので、少しルールが異なります。
設備系料金の中で、指定席料金は割引の対象となることが多いのですが、他の設備系料金は割り引きの対象とならないことが多いです。また、遅れたりした場合は、午前6時まで寝台を使用した場合に寝台料金が払い戻しにならないということを除けば、基本的に2時間以上の遅れで払い戻しになります。もちろん特急・急行料金も同様です。

さまざまな特例(料金篇)

特急料金などにも特例があります。

  1. 新幹線と在来線特急・急行(東京-九州間の寝台特急は九州内での利用時のみ、東京-下関間の寝台特急は除く)を新幹線停車駅もしくは大阪・坂出・高松の各駅でその日のうちに乗り継ぐ場合は在来線の特急・急行・指定席料金が半額になる。在来線から新幹線の場合は翌日でも良い。
  2. 寝台特急「瀬戸」と四国島内の特急を最初の列車の乗車日かその翌日に坂出駅もしくは高松駅で乗り継ぐ場合は四国側の特急・指定席料金が半額になる。
  3. 東北・奥羽本線を経由してくる特急と津軽海峡線もしくは函館本線を経由する特急・急行を最初の列車の乗車日かその翌日に青森駅もしくは函館駅で乗り継ぐ場合は津軽海峡線もしくは函館本線を経由する特急・急行の特急・急行・指定席料金が半額になる。
  4. 一部線区・JRで特急・急行料金を割り引いている例がある。

きっぷの紛失・変更・払戻

きっぷを買うことは出来たと思います。あとは列車に乗るのを……そういう時に限って突如発生するのがトラブルです(;_;)。
きっぷをなくしたからってあきらめて再び買い直すのはちょっとまってください。
知人の結婚式へでなければならなくなって、払い戻すのはちょっとまってください。
ちょっとまってください。きっぷをなくしたり、急用が出来て払い戻したりする時の方法をご存知ですか。それにもいろいろなうまい方法などがあるんですよ(^_^)
うまい方法を説明する前に基本的なルールを説明します。

  1. 使用前のきっぷは有効期間内であれば一回だけ区間などを変更することが可能。差額は清算。変更の出来ない割引きっぷ類と二回目の変更は、一回払い戻してからあらためてきっぷを購入することになる。料金系のきっぷの場合は、指定券は指定された列車が出発するまで、それ以外は有効期間内であれば、その時に発売しているどの列車へ変更してもかまわない。ただし、自由席グリーン券を自由席特急券・特定特急券・急行券へ変更することは出来ない。その逆も同じ。
  2. 乗り越しは正式には「区間変更」で、乗り越し区間の運賃を支払う。途中できっぷの行先と違う方向へ行く場合には、使っていない部分とこれから乗る部分の運賃を比較して不足分のみ精算する。過剰分は清算されない。また、料金系のきっぷは使用を開始すると変更できない。
  3. 使用前のきっぷは有効期間内であれば払戻をすることが可能。ただし、手数料がかかる。料金系のきっぷの場合は、指定券は指定された列車が出発するまで、それ以外は有効期間内であれば、払戻をすることが可能。ただし、指定・グリーン・寝台の各設備系料金部分には手数料がかかる。特急・急行の各スピード系料金部分には手数料はかからない。
  4. 使用後のきっぷは、未使用区間が100キロを超えていて、有効期間内であれば、使用済の区間の運賃と手数料を差し引いて払い戻すことが出来る。
  5. いずれのケースもクレジットカードを使って購入した場合は購入した会社のみで取り扱いをする。クレジットで購入したきっぷにはきっぷの表面に「C制」あるいは「東C」と入っている。

紛失時の知恵

きっぷをなくしてしまった場合、どうしていらっしゃいますか。おそらくあらためて買い直していらっしゃる方がほとんどだと思います。また、家へ忘れた時にもそうでしょう。
きっぷを無くした場合、実は、お金が返ってくることがあるのです。
「再収受」(さいしゅうじゅ)と呼ばれているこの制度は、きっぷをあらためて買い直す時に「なくしたので、念のため再収受証明書をください。」といえば、それで適用になります。有効期間は1年間で、たいていは買い直したきっぷへ「紛失再」「再収受証明」のスタンプを押して、それにかえます。
再収受を受けた場合は、改札を出る時にそのきっぷを駅員へ渡さずに、そのまま見せて通ります。そうでないと再収受をした意味がなくなってしまいます(^_^)。
本来はなくした時のためのものですが、家へ忘れてしまった時にもこの制度を活用できます。
ただし、払い戻されるのは、券面の額から手数料を差し引いた残りの金額ですので、念のため。

払い戻す前に変更を

不意の事態が発生して旅行を開始する前にいくのをあきらめなければならなくなった……。
こんな経験は結構あると思います。
1回だけならばきっぷを無手数料で変更することが出来ると3-10で書きましたが、あの範囲であれば、どんな方面へでもきっぷを変更することが出来るのです。
東京都区内発大阪市内行のきっぷを札幌市内発網走行への変更であっても、鹿児島発長崎行のきっぷを仙台発釧路行のきっぷへでも、1回だけならば、変更可能です。
この制度を活用すれば、余分な費用がかからなくていいですよね。

ターミナル駅のつかいかた

東京駅や大阪駅など大ターミナルと呼ばれる駅はいつでも旅の香りに満ちています。
しかし、そうした大ターミナルはなかなか目的のホームが見つからずに難儀する事が多いですし、見つかっても乗る入り口がなかなか見つからずにホームを行ったり来たりということもあります。
駅の外から改札まではとりあえず上を見ながら移動する事をお薦めします。上にはどちらの方向に歩いていけばどんなものがあるかという案内が出ています。これは案外ばかに出来ません。出ていなくてもしばらく行けば絶対に出てきますので、あきらめずに見つづけることをお勧めします。また、ばかにできないのが壁に張ってある案内図です。これは大体どの位置にいてあとどれくらいかを簡潔に教えてくれます。
改札内での移動ですが、新幹線停車駅や特急が数多く発着するような大ターミナル駅は時刻表の巻頭地図に案内図が出ています。これであらかじめ位置関係や通路の位置、名称などを見ておくとはるかに移動がスムーズになります。これは乗換えでも同じです。
それから、電車の停車位置ですが、特急や急行、一部の快速列車は時刻表巻末ピンク色のページに編成表と方向が載っています。たとえば、新幹線は1号車が博多寄りで、16号車は東京寄りなど……。これと上で書いた駅案内図をうまく利用すれば、どの改札口から入ってどのように移動すればスムーズに行けるかが分かります。

列車に乗る前に

特急などの場合、列車に乗る前に指定券やきっぷの確認をしておきましょう。日付、列車名、座る場所などといったきっぷの記載事項はもちろんの事、どこにしまったかもきちんと確認します。そのうえで荷物を列に並べて、早々と買い出しです。列車の旅の醍醐味は車窓を見ながらの駅弁とおしゃべりです。早目に買い出しをしないと特に昼時などは買いたいものが売り切れているなどということも十二分に考えられます。早目早目の行動が有効ですし、何より、一人旅のときにもし窓際だったりすると、通路側の人に気を遣いながら出たり入ったりしなければならず、それも面倒な話です。
その上でトイレへ行っておきましょう。普通列車ではトイレのない車両が増えており、また、特急などでも必ずしもきれいなトイレばかりとはかぎりません。駅のトイレもきれいとは云いがたいですが、汚い列車のトイレに比べればましでしょう。それに我慢して乗りこんで、しばらくトイレが空かなかったりすると一大事ですし。
始発駅ではない場合、途中駅から乗る場合はだいたい出発の5分くらい前までにホームにいるようにしたほうが無難です。中には到着直前にならないと改札をはじめない「列車別改札」をとっている駅もありますのでそのときは改札が始まると同時にホームへ向かいましょう。ただ、合理化でだんだんこうした「列車別改札」は減る傾向にあります。もし、「列車別改札」だった場合は何分くらい前から行うのかを聞いて待合室にその時間までにつくように駅へ向かいましょう。

乗りこんでから発車まで

列車がいよいよ入線してきました。入線時刻は始発駅の場合、時刻表に掲載されていることが多いようです。参考にすると良いと思います。
まずは荷物は網棚へ載せましょう。あとから乗ってきた人に占拠されると狭い座席で抱えこんでいなければならなくなります。一度場所を取ってしまえば、よほどずうずうしい人にめぐり合わない限り、そのスペースは降りるまで自分のものです。だからといって、あまりに場所をたくさん占めるのはどうかとは思いますがf^^;)。
次に複数人数の場合は席決めです。どの席に座るか、じゃんけんでもくじ引きでも良いのできちんと決めておきましょう。その上で座る席の指定券を持つようにします。車掌さんが周ってきたときにそれのほうが早く処理できますから、ぜひ協力してあげたいものです。

無人駅から乗車する場合ですが、合理化に伴ってワンマン列車化しているケースが多く、多くの駅で乗車口が決められています。そこで待っていて乗り込めばかまいません。整理券を出している場合、青春18きっぷなどの各種乗り放題きっぷ以外の場合は、きちんと整理券を取りましょう。乗り場が指定されていない駅はワンマンではなく車掌が乗っているケースがほとんどなので、ホームへ車掌が降りてきます。車掌の定位置は列車最後尾ですから出来るだけ列車最後尾が止まりそうな場所で待つようにします。もし、乗車した際に車掌に駅で買った乗車券や青春18きっぷなどの各種乗り放題きっぷを見せられなかった場合は車内を巡回してきますのでその際に見せればOKです。無人駅に券売機が無く、乗車駅証明書などしかなかった場合にはその際に何処まで乗るのかを申告します。

席の重複もある

指定券をもって乗りこんだら、先客がいた……などということがあります。その場合は慌てずに取り合えず、まず自分のきっぷの券面を確認します。列車の名前、日付、号車番号、席の番号、すべてを確認して、もし同位置ならば、声をかけます。
声をかけたら、罵倒するのではなくてきちんとわたしもここの席だと想うのですが……とソフトに行きましょう。たまに自由席からあぶれたお客さんが座っている事があり、その場合はすぐに動いてくれます。もし、指定客ならば、きっぷの見せ合いをします。相手が間違っていれば、たぶん謝って、どいてくれるでしょう。
問題なのは、どちらも同じきっぷだったときです。そのときは遠慮せずに車掌さんへ頼みます。車掌さんはダブったときのために調整用の席を持っていますから、そちらへ案内してくれる事でしょう。
もし、自分の券面が何らかの事情で間違っていたときも車掌さんに相談しましょう。きっとより良い解決策を教えてくれると思います。

駅弁を食べる

いよいよ列車が動き始めました。駅弁は列車が動き始めてから食べ始めましょう。駅に止まっているうちから食べ始めると窓の外の人にじろじろ見られることがあり、不愉快になります。地元の人は特に普段自分の駅の駅弁を買わないらしく、中身が気になるのか、じろじろ見ている人がいます。
もし、複数人で出かけたときは。駅弁は違う種類にして、少しずつまわして食べたほうが様々なバリエーションが楽しめて、旅が豊かに膨らみます。
どうしてもまわすのが嫌な人や一人のときは、次に別のものを食べると前回と比較が出来て面白いでしょうね。

車内での過ごし方

車内ではどうやって過ごしていますか?窓景色は鉄道の旅における最大の楽しみですが、自分の席が必ずしも良い眺めとは限りません。事前にどちらが良い風景なのかを調べて、そちら側の窓が見られる席を予約できれば良いのですが、多客時などは必ずしもそうした願いはかないません。海が見えたりするときにはそちら側のお客さんも窓の外に夢中になっているのでこちらが見ていてもさほど気にしないでしょう。あとは景色の良い区間だけデッキで眺めるという方法もあります。
鉄道はみんなで利用しているものです。たとえ窓の景色がよくないとは言ってもトランプなどで大騒ぎをするのは避けましょう。睡眠を取りたいビジネスマンなどにとっては騒ぎ声は大変つらいものです。ちょっとした気遣いでみんなが楽しく旅をしたいものです。

列車から降りる

ひと時を過ごした車内ともそろそろお別れです。車内には絶対にごみを残さないようにしましょう。降りた駅にはほとんど必ずといっていいほどごみ箱が設置してあります。車内のごみ箱ではなく、出来れば駅のごみ箱へ捨てて帰りたいものです。特に途中で降りる人が、みんな車内のごみ箱を利用してしまうと中身があふれて惨憺たることになります。
列車から降りるときはわれ先に降りるのではなく、順番を守って下車したいものです。その前に忘れ物がないか、網棚やいすのしたまできちんと確認しましょう。もし忘れ物をしたときはすぐに駅員へ告げます。すぐ見つかれば折り返しの列車で持ってきてくれますし、あとで申告した場合は忘れ物センターに問合せ、どのように回収すれば良いかを指示してくれます。
地元の駅までもってきてくれることもあれば、郵送費用自分負担で回収しないといけないケースもあります。駅員さんに詳しく聴いてみるとよいでしょうね。

無人駅で降りる場合ですが、ワンマン列車の場合は運転士の横ないしは後ろに料金箱がありますのでそこへきっぷもしくは整理券と運賃を投入して降ります。青春18きっぷなどの乗り放題きっぷの場合には定期券の要領ではっきりと券面を見せれば降りられます。車掌が乗車している列車の場合には乗るときと同じく列車最後尾の車掌にきっぷを手渡して降ります。

乗り継ぐときは

列車を乗り継ぐときは車掌さんのアナウンスに耳を傾けましょう。どのホームから出るかきちんとアナウンスしてくれるはずです。もし聞き逃してしまった場合は駅の表示を確認しましょう。だいたい出発の5分くらい前までにホームにいるようにしたほうが無難なのは本章第13節でも書いたとおりです。
きっぷさえ持っていれば列車の乗り継ぎは比較的簡単ですし、出発時間以外の制限などもありませんので比較的気楽に出来ると思います。くれぐれも待合時間に街へ出て、道に迷わないように気をつけましょう。

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